京都映画盛り上げ隊!
♯15「京都国際学生映画祭 実行委員長」牧野菜月さん

答えてくださった方
京都国際学生映画祭 実行委員長 牧野菜月さん

この映画祭に関わるようになったきっかけを教えてください。

大学2年生のとき、何かサークル活動を始めたいと考えていました。ただ、私の通う大学には部活動しかなく、インカレで参加できる活動を探していたんです。
そんなときにInstagramで見つけたのが、京都国際学生映画祭のアカウントでした。ひとつのことに腰を据えて、時間をかけて取り組んでいる印象が強く、「ここなら本気で関われそうだ」と感じて参加を決めました。
現在、実行委員は30名です。多くが関西圏の大学に通う学生で、普段から映画制作をしているメンバーもいます。
私はいわゆる“コアな映画ファン”というわけではありませんが、韓国映画や社会的なテーマを扱った作品が好きで、日頃からよく観ています。



学生が運営する映画祭ならではの魅力はどこにあると思いますか。

最大の特徴は、応募作品も、運営する側も、どちらも学生であるという点です。
学生映画と聞くと、クオリティ面を心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には国内外から多くの作品が寄せられ、完成度の高いものばかりです。今年度は応募総数825作品が集まりました。
一次・二次審査は実行委員が担当し、最終審査員の選出、プレイベントの企画、当日の運営に至るまで、すべて学生が主体となって進めています。
学生自身が、国内外の学生の表現力や可能性を評価し、発信できる。それこそが、この映画祭の大きな強みだと思っています。

運営の中で特に大変だったことは何ですか。

今年1月17日には、清水寺で「生死(しょうじ)」というプレイベントを開催しました。
昨年度の入選作品の中から“生きる”をテーマにした3作品を上映し、上映後には清水寺執事の森清顕さんと、上智大学の髙木慶子シスターによるトークセッションも行いました。
初めての試みだったため準備は大変でしたが、清水寺という特別な場所で映画を観る体験を実現できたことは、大きな達成感につながりました。
これから映画祭本番に向けて、リハーサルを重ねていく予定です。例年、この時期に調整事項が増えたり、プログラムを組み直したりすることもあるため、大変さは覚悟しています。


プレイベント「生死(しょうじ)」のポスター

実行委員で良かったと感じるのはどんなときですか。

新たに協賛してくださる企業の方や、最終審査員の方に上映作品をご覧いただいた際に、「学生が創ったとは思えないクオリティですね」と言っていただけることがあります。
そうした言葉をいただくと、やはり素直にうれしいですし、モチベーションにもつながります。

実行委員長として、特に大切にしていることは何ですか。

私自身、学業や就職活動の関係で、どうしても映画祭の活動を最優先できない時期があります。それは他の実行委員も同じなので、忙しいときほど相手の立場に立って考えることを意識しています。
また、初めて参加してくれるメンバーも、長く続けてくれているメンバーも、できるだけフラットに接するよう心がけています。イベントの際には、必ず一人ひとりに役割を持ってもらうようにもしています。
実行委員は皆とても頑張り屋で、睡眠時間を削って作業してくれることもあります。
毎週土曜日に行う定例会議の後には一緒にランチに行ったり、イベント後には打ち上げをしたりと、意識的にリフレッシュできる時間をつくることも大切にしています。


2024年度の実行委員メンバー

実行委員長を務めたことで、ご自身の変化はありましたか。

大きな変化というほどではありませんが、周囲の状況を俯瞰して見る力は身についたと感じています。
後輩が増えたことで、作業の進行が滞っていそうな場面では声をかけたり、事務局(大学コンソーシアム京都)と実行委員の間に立って、意図をかみ砕いて言語化したりすることができるようになりました。
就職先は映画業界とは直接関係ありませんが、映画祭で培った「人と人をつなぐ経験」は、今後も必ず生かせると感じています。

映画祭に関わることで、映画の観方は変わりましたか。

審査に関わるようになってから、映画を観る際に「どこが良かったのか」「なぜ心に残ったのか」を考えるようになりました。
そうした感想をメモとして残すなど、記録する習慣ができました。

映画祭で映画を観ることの魅力は何だと思いますか。

これは本映画祭に限らずですが、商業化される前の、誰の手垢もついていない作品に出会えることが、映画祭ならではの魅力だと思います。
京都国際学生映画祭の上映作品は、国やジャンルも多様で、ドキュメンタリーからフィクションまで幅広い作品が上映されます。自分では選ばないような作品も自然に鑑賞できるので、新しい世界との出会いがあるはずです。

初めて映画祭を訪れる方には、どのように楽しんでほしいですか。

ぜひ、学生映画のクオリティの高さに驚いていただきたいです。
今年は特に中国をはじめとするアジア圏からの応募が多く、見応えのある作品が揃っています。
また、最終審査員によるトークセッションに加え、『侍タイムスリッパー』の安田淳一監督によるトークイベントも予定しています。
ここでしか聞けないエピソードを楽しんでいただければと思います。


京都文化博物館での上映の様子

京都映画賞会員の皆さまに向けて、メッセージをお願いします。

今年の上映作品には全16作品が揃いました。最長で約150分、短いものは10分ほどの作品もあり、4つのプログラムに分けて構成しています。
どのプログラムも鑑賞時間に大きな差が出ないよう工夫しており、ジャンルのバランスも意識しています。
4日間の会期中、どの日に来ていただいても楽しめる内容になっていますし、今年は前売り券も販売しています。
ぜひ予定を立てて、会場に足を運んでいただけたらうれしいです。

京都国際学生映画祭とは

日本最大規模の国際学生映画祭。大学コンソーシアム京都が主催し、京都を中心とする関西圏の大学生が実行委員として、企画・運営を担っている。 学生が制作した自主映画を世界各地より集め、学生が審査をし、上映作品を選出。同時代を生きる学生の目線から、未来の映画を担う人材・才能の発掘を目標としている。
●日程 令和8年2月20日(金曜日)〜2月23日(月曜日)
●公式HP  https://www.kisfvf.com/