2022年度の受賞作品・受賞者はこちら
令和4年10月~令和5年9月に1週間以上有料劇場公開された劇映画等の長編(概ね 60分以上)作品のうち、京都が題材、舞台、撮影、ロケ地となるなど、京都に所縁のある 22作品から、京都映画賞会員の投票(投票期間:令和5年10月1日~令和6年1月8 日、投票総数2,747票)により、最も票数を獲得した、『わたしの幸せな結婚』が受賞 されました。受賞作には、トロフィー及び副賞として賞金10万円を授与します。
『わたしの幸せな結婚』
(令和5年3月17日公開)
監督
塚原あゆ子
主なキャスト
目黒 蓮、今田美桜
あらすじ
明治・大正期を彷彿とさせる架空の世界を舞台に、心を閉ざしたエリート軍人と、家族に虐げられて育った少女の政略結婚から始まる異色のラブストーリー。
映画等の映像制作に関わる優秀なスタッフ及び京都の映画文化、映画産業の振興に顕著な御功績のある方で、京都に所縁のある方のうち、京都映画賞実行委員会参画団体から推薦された候補者を審査委員会において選考し、3名の方が受賞者となりました。受賞者には、トロフィー及び副賞として賞金10万円を第2回京都映画賞表彰式において授与します。
石原 興
(いしはら しげる)
[撮影監督] 83歳
京都映画株式会社(現・株式会社松竹撮影所)を拠点に、撮影技師のアシスタントとして、数多くの現場に携わる。
昭和47年に、シリーズ第1作『必殺仕掛人』にカメラマンとして参加して以来、陰影を強調した撮影手法で芸術的な「光と影」を生み出し、“必殺”の世界観を築き上げる。
代表作に、『劇場版必殺シリーズ』(撮影監督)、『典子は、今』(撮影監督)、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(撮影監督)、『初雪の恋 ヴァージン・スノー』(撮影監督)、『獄に咲く花』(監督)など多数。平成19年からは、テレビ番組『必殺仕事人』(監督)を現在も撮影中。
平成7年『忠臣蔵外伝 四谷怪談』で、第18回日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。京都はもとより、日本の映像産業・文化のレジェンドの一人。
太田 米男
(おおた よねお)
[映画復元、保存] 74歳
1990年代から、『何が彼女をそうさせたか』(鈴木重吉監督)、『忠臣蔵』(池田富保監督)、『突貫小僧』(小津安二郎監督)等数多くの復元に携わり、海外の映画祭でも上映。
「京都映画祭」では、平成9年の創設から平成26年の終了まで企画委員として携わる。
平成18年に「映画保存の勉強会」を提唱し、産官学と映画ファンが連携した「映画の復元と保存に関するワークショップ」を平成30年まで主宰し、動的映像の復元と保存を学ぶ機会を広く提供。
平成27年からは「(一社)京都映画芸術文化研究所」を発足、私財を投じて「おもちゃ映画ミュージアム」を開館。無声映画の発掘と上映会、映画を専門とする研究者らによる講演会を催し、広く映画の魅力を発信、映画の文化的価値を訴え続けている。
杉本 崇
(すぎもと たかし)
[照明] 64歳
昭和56年『炎のごとく』(加藤泰監督)で照明スタッフとして参加して以来、毎年、多数の映画作品に携わる。
代表作に、『座頭市 THE LAST』・『闇の子供たち』(阪本順治監督)、『憑神』(降旗康男監督)、『テルマエロマエII』(武内秀樹監督)、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(樋口真嗣監督)、『本能寺ホテル』・『湯道』(鈴木雅之監督)など。
平成25年『北のカナリアたち』で第36回日本アカデミー賞最優秀照明賞、令和2年『Fukushima50』)で、第44回日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞するなど、多数の受賞歴あり。
照明技法への飽くなき探究心を抱き、数々の映画監督からの信頼も厚い、日本映画界を代表する照明技師。
※五十音順、敬称略。年齢は受賞日(令和6年2月17日)時点
京都映画賞の立ち上げに多大な御功績をいただき、当映画賞実行委員会の特別顧問に就任後も、様々な御助言いただいた栄誉を称え、故中島貞夫監督に『京都映画賞特別功労賞』 を第2回京都映画賞表彰式において授与します。
故・中島貞夫監督
東映京都撮影所で経験を重ねられ、「くノ一忍法」で監督を初め て務められて以降「893愚連隊」、「木枯し紋次郎」、「日本の首 領」シリーズ、「極道の妻たち」シリーズなど多くのヒット作を手 がけられるなど、日本の映画界の振興に大きく寄与された。また、 京都での映画制作への並々ならぬ想いのもと、京都映画祭の総合 プロデューサー、京都国際映画祭名誉実行委員長、京都映画賞特 別顧問として、永年にわたり京都の映画文化を先導され、映画の まち・京都の礎を築かれた。